Vol.32024
WLB(ワークライフバランス)特集
産休・育休をとってみて
子育てが介護のお仕事にどう活きていると思いますか
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もくじindex
特別養護⽼⼈ホーム
山陽寿荘
山陽寿荘
介護福祉士
山本大祐(33)さん
特別養護⽼⼈ホーム
さくら木
さくら木
介護福祉士
山本加南子(33)さん
特別養護⽼⼈ホーム
報恩積善会
報恩積善会
栄養士・調理員
金尾実希(32)さん
地域密着型特別養護⽼⼈ホーム
新宅
新宅
介護福祉士
池田桃子(32)さん
自己紹介&今のしごとについて
池田さん
新宅の池田です。私は介護職員で、普段の業務のほか、施設が発行する「おたより」の制作や、施設行事の計画もしています。
金尾さん
私は報恩積善会で栄養士をしている金尾です。利用者さんの献立作成とカロリー計算、実際に調理員としても働いているので調理し提供しています。
大祐さん
山陽寿荘の山本大祐です。利用者さんの生活支援や、楽しみのある穏やかな生活を引き出せるようなケアを心がけています。
加南子さん
さくら木の山本加南子です。私はショートステイの介護を担当していて、現在育休中で4月に復帰予定です。
カイゴのしごとをはじめた
きっかけはなんですか
池田さん
祖父の病気がきっかけです。それまで介護という仕事に興味はなかったのですが、いざ身近な人に介護が必要となり、会話などのコミュニケーションも難しい中、それでも意思が通じたときなど良かったと思えることが増えるたびに嬉しくて。介護する側とされる側の気持ちを身近で感じ「力になりたい」と思うようになったんです。
金尾さん
私は食べることが大好きなので「食に関わる仕事をしたい」と思い栄養士を目指しました。幼い頃から、近所のお年寄りの方とお話したり、ボランティア活動などでお年寄りとふれあう機会があったりして「食を通して利用者さんとつながりたい」と思ったのがきっかけです。
大祐さん
幼い頃から祖父母に面倒を見てもらうことが多く、成長していくうちに「なにか恩返しできることはないか」と思うようになったのがきっかけです。従兄弟が介護の仕事をしていて興味を持ったこともあり、介護職に就きました。
加南子さん
兄が自閉症を抱えていたので、幼い頃から障がいを持つ方と接する機会が多くありました。将来は「障がいを抱えた方や高齢者の方に関わる役に立つ仕事がしたい」とずっと考えていたんです。短大で介護福祉士の資格をとって介護士になり、卒業後はデイサービスで働いていたのですが、やっぱりもっと高齢者にかかわる分野にもチャレンジしたくて今は特養で働いています。
カイゴのしごとの楽しさ&やりがいを教えて
池田さん
利用者さんだけでなく私も、お互いに笑顔になった瞬間がいちばんやりがいを感じます。日常の「当たり前」を一緒に過ごす中で、嬉しいことや面白いことを共有できるたび、やりがいと同時に楽しさも感じています。
金尾さん
自分が考えてつくった献立を利用者さんが「おいしい」と言って食べてくれた時にやりがいを感じます。介護職員から「毎日楽しみにしてるよ」と言ってもらえることも大きな活力になっています。また食事時間以外にも、普段のさりげない会話や行事を通して関係を築いているので、利用者さんは家族のような存在になっています。
大祐さん
利用者さんによっては、言葉や想いを伝えられず意思疎通が難しい状態の方もいらっしゃるのですが、利用者さんの普段見えない表情や仕草が見えた時、ご家族さんから「こんな表情見たことないです」「昔を思い出します」と喜んでもらえた時に、やりがいをとても感じます。
加南子さん
介護は大変な仕事でもありますが、やっぱり利用者さんとお話していて楽しい時間を過ごせたり、単純に「ありがとう」と言ってもらえたりすると、それがやりがいになり、また頑張ろうと思えます。
やっぱり大変なところもあるよね、カイゴのしごと
池田さん
限られた人数と時間で、安全に充実した生活を送っていただくことが大変だなと感じます。「今日は〇〇をして楽しかったな」と思ってもらえるような一日を、利用者さん全員に過ごしてもらえたらと思うと同時に難しさも感じています。
金尾さん
私も、一人ひとりに合わせた食事を提供するのが大変だと感じています。嚥下状態や、好き嫌い、病気による食事制限などそれぞれ異なるので、対応力や応用力が必要な仕事です。あと、今は食材費が高騰しすぎているので材料費のコスト調整も課題で、栄養士で度々集まっては献立や発注量の見直しの会議を行なっています。「報恩積善会は食事が美味しい」と言っていただけることも多いので、味を落とさないようにも気を配っています。
大祐さん
今だと、コロナやインフル、ノロウイルスなどの感染症対策が大変です。目に見えるものではないのと、重症度が高い方々の命を預かっている責任もあり、特に気を配っていますね。
加南子さん
事故やけががないように楽しく帰ってまた来たいと思えるような時間を過ごしてもらえるようにすることがやりがいでもあり、大変な点でもあります。毎日同じことをしていてもつまらないし、ショートステイはいろんな方が来られるので、その方に合ったサービスを提供するのが課題です。
ワークライフバランスについて
産休・育休をとってみて
池田さん
1年しっかり育休をいただいた後に復帰し、今は時短勤務させてもらっています。
勤務時間は家族(子ども)を優先的に考え、基本は働きやすい時間帯です。不定休が当たり前の業界ですが、子どもの行事や日曜日などもしっかりお休みをいただけて、充実しています。私の施設ではフルタイムでも夜勤が21時~7時と短いところも魅力的で、復帰後でも働きやすい時間かなと思っています。
金尾さん
私も産休育休合わせて1年間取得させてもらいました。今は、休日や勤務時間が変則的なのですが、夫や家族に助けてもらいながら無理なく働いています。子どもの体調不良で急に休む時も、他の職員さんが快く代わってくださり、助けてもらっています。
実は育休前は「復帰した後やっていけるのかな?」と、とても不安でした。ですが同じ部署には先輩ママがたくさんいるので「よくあることだよ。気にしないで」と子育ての相談にものってくださり本当に心強いです。
大祐さん
私も男性育休を2週間取得させていただきました。実は施設で初めての男性育休取得だったのでいろんな心配ごとがありましたが、上司やユニットのメンバーが「気にせんでええよ」とフォローしてくださいました。おかげでとても充実した2週間を過ごせました。メンバーのフォローもあり、復帰してからもすごくスムーズに働けています。
普段のお休みは、奥さんのフォローや、子どもが遊べるところに家族で出かけたりしています。
加南子さん
私も旦那さんも両親が遠くに住んでいて、頼れる人がこちらに誰もいないという状況だったので、旦那さんの育休2週間はとってもありがたかったです。
あと不妊治療での急な勤務変更も受け入れてくれたり、妊娠中も切迫早産などで安静期間が続き、ほとんど出勤できず迷惑をかけてしまったのですが、職場の人の理解もあってありがたかったです。
出産後は娘もかわいがってもらっています。
子育てがカイゴのしごとに
どう活きていると思いますか
金尾さん
料理が得意なので離乳食などもぱぱっとつくれることは栄養士ならではだと思います。子どもももりもり食べてくれるのでとてもつくりがいがあって、栄養士をしていて良かったです。
池田さん
赤ちゃんの頃、寝てる間に服を交換するとき、いかに起こさずに全部を更衣させるかというところが、介護で寝ておられる方をいかに安静にしながら着替えを交換できるかというところに共通していて、思わず熱が入っちゃうときがありました(笑)
大祐さん
介護の仕事は日常の支援ですが子育ても同じですね。食事の介助だったり、排せつの介助だったり。その中で本人の負担なく快適にするには、そして笑顔を引き出すためには…みたいな。近いものは本当に実感しています。介護のお仕事をしている分、子育ても抵抗なく楽しくできています。
加南子さん
介護と子育てって共通しているところも多いです。利用者さんの体調管理と同様に「この子もちょっと調子悪そうだな」と気づけたり、診る(みる)力が養われている感じがします。
これからカイゴのしごとを目指す人へメッセージ
金尾さん
介護は大変な場面もありますが、それを上回るほど、笑顔と感動が絶えない仕事でもあると思っています。認知症のある方など、目が合わないとその方の世界に入れてもらえないので、とにかく目と目を合わせること、たくさん笑うなどの日常的なことがとても大事な仕事です。
池田さん
利用者さんが楽しく安心して生活できる環境づくりができたら良いなと思います。ちなみに、栄養士の仕事はやりがいがたくさんあって自分も成長できるし楽しいですよ。
大祐さん
決して「楽でたくさんの給与をいただける」という仕事ではないですが、介護の知識を身につけることで困っている方や助けが必要な方、いざとなったときに自身の家族などの身近な方を助けることができるかもしれません。僕自身、祖母が脳梗塞を起こしたときに、すぐに「これは変だ」と思い、仕事で培った処置をすることができました。「岡山DWAT(ディーワット)」という災害派遣福祉チームにも所属しているのですが、そこでも介護の知識があることで、人助けができています。
ちなみに、給与に関しては国から処遇改善金をいただき、以前より充実しています。
加南子さん
私も、忙しい中でも自分が楽しく仕事をしていたら、それが利用者さんにも伝わって楽しくみんなでわいわいと仕事できるかなと思います。命を預かっている分責任は大きいですが、本当にやりがいのある仕事です。
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